脊柱管狭窄症の治療は病状が悪化する前に行なおう

女性ドクター

保存療法の有効性

病室

軽度なら手術回避も可能

哺乳類を筆頭とする脊椎動物は、脊椎と呼ばれる太い骨を持つことが大きな特徴です。この脊椎には脊柱管と呼ばれる管の中に太い神経が通っており、そこから細い神経が全身に伸びています。人間は直立二足歩行を実現させたために、脊椎が重力の影響を受けやすくなっています。さまざまな原因によって周辺組織が変形し脊柱管が狭くなると、神経が圧迫されて痛みや痺れなどの症状が発生します。これが脊柱管狭窄症と呼ばれる病気です。脊柱管狭窄症の発症部位は頚椎と腰部に集中しています。頚椎に発症すれば首を中心とする上半身に、腰部に発症すれば腰や脚に痛みや痺れ・麻痺が表れます。頸部脊柱管狭窄症でも進行すれば症状が下半身に及ぶほど、神経圧迫の影響は大きいと言えます。脊柱管狭窄症の最も効果的な治療法は、神経を圧迫している部分を切除するための手術です。しかしながら患者さんによっては手術を望まないケースも少なくありません。症状が重度でないの段階なら、薬やブロック注射で痛みを和らげる治療法もあります。牽引療法や温熱療法・超音波療法といった保存療法で成果を上げている症例も数多くあります。

筋肉増強と血流改善も有効

整形外科では脊柱管狭窄症の症状に合わせた最適な治療を実施しています。症状の重い患者さんには手術を勧めていますが、工夫次第では保存療法を組み合わせることでも良い結果を得られるものなのです。一例を挙げるなら、腰部脊柱管狭窄症の患者さんに対しては運動療法による患部周辺筋肉増強の有効性が判明しています。腹横筋や腰背筋といった筋肉は腰椎を支持するための重要な組織です。これら周辺筋肉を運動療法によって増強すれば、狭くなった脊柱管を拡大して症状を緩和させることができます。誤った運動方法を実施すると症状が悪化する可能性もありますので、整形外科医の適切な指導の下にこの運動療法を実施することが大切です。脊柱管狭窄症の発症には神経への血流悪化が関わっていることも知られています。この状態を改善させるために温熱療法や超音波療法が実施されますが、薬物療法でも血行を良くする薬が使われています。日常生活の中でも医師のアドバイスに従って患部周辺の血流を良くするための工夫を施せば、それだけでも症状改善が期待できるのです。以上のような多方面からの治療を上手に組み合わせることで、多くの患者さんが症状から解放されています。